考え方
大企業はともかく、ベンチャー企業(会社規模で行くと中小企業)の経営者は、多くが後継者問題に頭を悩ませています。自らが起業し、会社のあらゆる方向にリーダーシップをとっているやり手「ベンチャー人間」社長であればなおさらです。
会社の規模は「ドッグイヤー」よろしく年々拡大していく。
それまですべての指揮を執っていた経営者でも、さすがに細部までは手が回らなくなる。
何とか若手に権限を委譲し、自分はまた新しい分野を開拓していきたい。
そのように考える経営者が求めるのは、ずばり
「自分を超える人財」
です。一方、人事・教育担当者は違います。彼らは現場の人間です。
採用し、教育した若手社員は、すぐに彼らと机を並べて働く事になる。そうするとどうしても、仕事がしやすい人財を求めるようになります。つまり人事・教育担当者が求めるのは「一緒に働きたい人間」なのです。
「自分を超える人間」と「一緒に働きたい人間」。どちらが必要なのか。
どちらも企業にとっては必要なのです。両者の選択はどちらも、失敗でも間違いでもありません。
では何が失敗なのでしょうか?
経営者が求める人財像と、人事・教育担当者が求める人財像が一致していないという、そのことが失敗なのです。
身近な問題にたとえてみましょう。小さな子供がいたずらをしたとします。
母親はいけないことだと強く叱る。父親は元気がいいとほめる。次にいたずらをしたときは母親は喜び、父親は叱る。そうしたことが続くと、こどもはどうなるでしょうか?
子供はその都度、自分に都合のいい情報だけをピックアップするようになります。その結果、両親の意図はどちらも伝わらなくなってしまう。
こうした状況を回避するために必要なのが、経営者と人事・教育担当者とのナレッジマネジメントなのです。
ナレッジマネジメントとは、社員一人一人の持っているスキルや情報を共有し、より高い専門知識として洗練させるという方法です。
つまり新卒者の採用においても、経営者と人事・採用担当者の求める人財像、その育成のための方法をすり合わせることが大切なのです。